旅行・観光業界における人員不足の実態や事務職採用の方法を紹介
コロナ禍が収束の兆しを見せている近年、旅行・観光業界においては、需要回復の反面で人員不足が深刻化しています。背景には、同業界への転職希望者が減っており、かつ離職率が高い業界であるなどの根深い問題が潜んでいます。
しかし「人員不足が起きているそもそもの原因が分からない」「事務職の採用数を拡大する方法を知りたい」とお考えの担当者さまもいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、旅行・観光業界を取り巻く人員不足の根本的な解決方法や、事務職スタッフの採用方法を紹介します。
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旅行・観光業界における人員不足の現状と背景
旅行会社やホテル・旅館業などの旅行・観光業界は、慢性的な人員不足に悩まされています。
コロナ禍で打撃を受けた同業界の多くの企業では、人員削減が行われました。一方で、旅行者数はコロナ禍以前の水準を超えるほどに回復しつつあり、ここにきて需要と供給のバランスが崩れ始めているのです。また、海外からの訪日外国人(観光客)のインバウンド需要も拡大を続けており、これも人員不足に拍車をかけています。
旅行・観光業界が抱える人材面での課題
コロナ禍を経て、再び需要の高まりを見せる旅行・観光業界ですが、人材面においては高い離職率と転職希望者の少なさという2つの課題を抱えています。
離職率の高さは、長時間労働や、女性にとって働きやすい社内制度が普及していないなど、労働環境の問題に起因しています。
また、一度会社を去った人員を呼び戻すうえでも、多くの壁が立ちはだかっています。たとえば、旅行・観光業界は賃金水準が低く、転職市場においてなかなか求職者に選ばれにくいという問題です。
なお、これらの課題を解決して、旅行・観光業界が抱える人員不足を解消する具体的な方法については後述します。
旅行・観光業の事務スタッフを採用する3つの手段
ここからは、旅行・観光業のなかでも、特に人員不足が深刻な事務職を採用するための3つの方法を紹介します。
①人材エージェントの活用
自社の事務職への採用に苦戦しているのであれば、人材紹介を専門とする人材エージェントを利用してみるのが得策です。
特に、事務職に特化している人材エージェントを利用すれば、経験者のみならず業界未経験者への訴求も行いながら、人材のリサーチを進めてくれます。さらに、貴社の魅力を理解したうえで、求職者への興味付けや、面接に進んだあとのフォローアップに至るまで一貫したサポートを行ってくれるため、採用数の拡大につながります。
②求人広告のブラッシュアップと適切な出稿先の選定
求人広告の内容が、求職者に響くかどうかという観点でのチェックを行い、必要に応じてブラッシュアップすることも重要です。せっかく採用条件や職場環境が整っていても、適切に訴求できていなければ、求職者の目に留まらずにチャンスを逃してしまいます。また求人広告の内容が洗練されていても、適切な媒体に掲載しなければ効果がありません。
自社が求めている職種や経験、年齢のターゲット層が多く利用する媒体を選択したうえで、求人広告を出稿することが重要です。
➂ダイレクトリクルーティングやリファラル採用
自社で候補者の探索を行う、いわゆるダイレクトリクルーティングも、より多くの人材獲得を実現するうえでの有効な手段です。
企業担当者が求職者へ直接スカウトを送れる転職サイトや、ビジネス系のSNSなどを活用することで、求めている経験やスキルを持った候補者をピンポイントで探し出すことが可能になります。
また、リファラル採用(社員紹介制度)の導入も効果的です。転職市場に出ていない潜在的な求職者層へアプローチできることも少なくありません。また、社員による知人の紹介という特性上、求職者と企業とのあいだのミスマッチが起こりにくく、離職の抑制という観点でも優れています。
人員不足を根本的に解決するための対策
旅行・観光業界を取り巻く人員不足問題の根本的な解決を図るうえでは、求職者に選ばれ、かつ人員の定着率を上げるための施策が必要です。
この観点から各企業には、下記のような取り組みが求められます。
▼旅行・観光業の人員不足を解消するための施策
- 賃金水準の引き上げ
- 人材エージェントの利用や自社採用の強化
- 労働環境の改善・女性が働きやすい制度の導入
- 入社後のフォロー
求職者を他業界から引き込む、あるいは競合企業と差別化するうえでは、賃金水準を上げることが近道です。旅行・観光市場の需要の高まりによる企業収益を社員の給与水準へ還元すれば転職市場での競争力が高まり、採用活動にとって大きなプラスの要素が見込めます。そのうえで人材エージェントの利用や、ダイレクトリクルーティング・リファラル採用などを強化すれば、応募者数の拡大を図ることができます。
なお、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用は、採用コストを減らすうえでも有効です。本来かかっていたはずの採用コストが不要になるため、そのぶん当該の求職者の給与を上げることも可能です。
しかし、自社の財務状況から、賃金水準の引き上げが難しいようであれば、長時間労働の改善や、リモートワーク・フレックス制度の導入など、賃金以外の面での魅力を高める努力が必要です。
並行して、離職率の拡大に歯止めをかけるため、採用活動を見直すことで求職者と企業のミスマッチを減らしつつ、入社後の社員に対するフォローアップやストレスケアなどを実施してください。
まとめ
この記事では旅行・観光業界が抱える人員不足の問題について、以下の内容を解説しました。
- 旅行・観光業界における人員不足の現状と背景
- 旅行・観光業界が抱える人材面での課題
- 旅行・観光業の事務スタッフを採用する手段
国内外からの需要が拡大する旅行・観光業界の多くの企業が人員不足に悩まされています。特に深刻なのが、女性社員の多い事務職です。
採用数を拡大する試みとしては、人材エージェントの利用や、求人広告の見直し、自社採用の強化などが有効です。また、低賃金や長時間労働、働きにくさといった課題と向き合い、改善することで、人員不足問題の根本的な解決を図りたいところです。
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なお、最近の採用の傾向として、一部実務の経験を持ち合わせていない場合でも、旅行・観光業界の基礎知識を有している人材は、ポテンシャルを加味して積極的に採用される企業が増えてきました。実際に、採用した人材は業務に慣れるまでのスピードも早く、国内外への出張・旅行の受付手配業務などで活用しています。
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