お客様インタビュー ビジネスコミュニケーションセミナー

国立大学法人 北海道大学 人材育成本部
S-cubic 様

導入したサービス概要

カテゴリー ANAコミュニケーション研修
研修名 ビジネスコミュニケーションセミナー

タイプ

講師派遣
(顧客先施設での実施)
実施年 2017年11月
実施時間 6時間(※休憩時間を含む)
受講者数 16名様
備考 2010年より『ビジネスマナーの基本と実践』を実施。同日に第1部「講演」で接遇の基本を聴講し、第2部は主に大学院博士後期課程学生(DC)様を対象に「演習」を中心とした研修を受講いただいています。第1部の講演には、多くの大学院博士前期課程学生(MC)様も受講。『ビジネスコミュニケーションセミナー』は、2013年から導入されています。

お取引先様のプロフィール

国立大学法人 北海道大学
学校名 国立大学法人 北海道大学
導入部門 人材育成本部 上級人材育成ステーション S-cubic

備考

S-cubicは文部科学省「科学技術関係人材のキャリアパス多様化促進事業」を起点として、2009年に設立された「若手研究者がより一層広い世界で活躍できるようにキャリアパス構築等の支援活動」を行う拠点組織です。就職支援のみならず、大学院生の成長を後押しするさまざまなプログラムを用意されています。

※本記事に記載している名称や内容などは2018年3月時点のものです。

学問・研究を追求し、知力を鍛え続けた
若き研究者たちを社会の最前線に送り出したい

ANAビジネスソリューション(以下、ABS)では、ANAの客室乗務員や空港係員として長年、経験を積んできた講師が接遇&マナーやコミュニケーションなどの教育・研修プログラムをお客様のご要望に合わせ日本全国で提供しています。
今回はさまざまなコンテンツで大学院生のキャリアパス構築を支援されている国立大学法人 北海道大学人材育成本部S-cubic(以下、S-cubic)の樋口特任教授にお話をお伺いいたしました。ABSの研修は2010年から大学院生にビジネスマナーを、2013年からはコミュニケーション研修を導入していただいています。

学問・研究を追求し、知力を鍛え続けた若き研究者たちを社会の最前線に送り出したい

真摯な院生を社会へ橋渡しするためにビジネスマナー研修を導入

北海道大学は、最先端の研究で成果を上げることと共に次世代においてリーダー的存在となる科学者の育成を使命としています。その中で私の所属するS-cubicは、若手研究者がより一層広い世界で活躍できるようにキャリアパス構築等の支援活動を行っています。企業の知識を学ぶMOT講座(キャリアマネジメントセミナー)や企業の研究開発の実際を知る「Advanced COSA」などさまざまなプログラムで大学院生と社会・企業の接点を提供しています。その支援活動の一環として、実際に企業をお招きし、直接マッチングを図るイベント「赤い糸会」を実施しております。そのため社会や企業に好意的に受け入れられるビジネスマナーが必須となり、2010年からABSさんに研修をお願いしています。
ABSさんに依頼を始めたのは、私の前任者がANAの機内誌『翼の王国』で研修の存在を知ったことがきっかけだったと聞いています。当初は、講演と演習の2形式に分けた『ビジネスマナーの基本と実践』研修のみをお願いしておりましたが、現在では札幌・函館キャンパスで毎年各1回開催しています。

真摯な院生を社会へ橋渡しするためにビジネスマナー研修を導入

特任教授/理学博士 樋口 直樹様。サントリー株式会社にて健康食品事業の立ち上げに参画され、その後、人事部、知的財産部や水科学研究所などを担当。2011年の退職後、現職に就任。九州大学客員教授なども歴任されています。

理由と効果の説明が徹底されているから習得へのモチベーションが上がる

『ビジネスマナーの基本と実践』の演習主体の第2部は、講師の目が届くように受講者数を絞っていますが、参加希望が多いため第1部は講演中心にしています。第1部はマナー習得に欠かせない接遇の基本を理解する内容ですが、講師の方が「何故、マナーが大切であるのか、そのために必要な接遇の基本とは何であるのか」、時に100名を超える受講者一人ひとりに語りかけるように、しっかり解説してくださいます。学問でも同じですが、院生は理由や効果が分かると吸収が早いので、この講演がとても重要だと考えています。
演習主体の第2部は、企業就職に意識を向けた博士後期課程の学生(DC)を中心に実施しています。4時間の研修ですが、最初に行うビデオ撮影を取り入れたプログラムが毎回とても好評です。受講者が講師や参加者全員に対して自己紹介を行う姿を撮影し、その動画を視聴するのですがイメージしていた自分の話し方や立ち居振舞いと実際のギャップ、自分の弱点に気づかされます。講師からの厳しいフィードバックはさらに上を行くので、自分の審美眼の狭さも痛感するのですが、課題と改善策がはっきりするので非常に大きな学びになっています。そして、講演形式で学んだ接遇の基本「他者の視点や気持ちへの意識」をよりはっきりと実感するので、その後の講義に向かう姿勢も上向いていると感じています。

理由と効果の説明が徹底されているから習得へのモチベーションが上がる

2017年10月に実施した『ビジネスマナーの基本と実践』第1部講演の様子(札幌キャンパス)

異なるフィールドでの自己表現に必要なマインドシフトの機会を創出

2013年から毎年、ビジネスマナー研修の約1か月後に実施しているのが『ビジネスコミュニケーションセミナー』です。題目の通りビジネス・社会での円滑なコミュニケーション力のレベルアップを図るセミナーです。ABSさんの研修名の副題にもなっている「自分の殻を破る」ことをゴールの一つにしています。理系の院生たちは、学会などで専門家の前に立ってプレゼンテーションする経験は積んでおり、先輩研究者との対話も積んでいます。しかしながら、社会に出れば文系的な思考回路を持つ方、理系の常識や専門言語を持たない方々と協働していくことが必要不可欠です。具体的には、企業の人事部門や営業部門の方々と良質なコミュニケーションができる下地を整えることを目指しています。
本セミナーでも、良質なコミュニケーションには「何が大切なのか」が前半部分で解き明かされます。自分の意見を理解してもらうために、相手の立場で考える重要性をふんだんな具体例を用いて徹底して説明されます。ビジネスマナー研修も同様ですが、ABSさんの現場経験が言語化・論理化された内容なので受講者は自分に足りないマインドを意識づけられています。

異なるフィールドでの自己表現に必要なマインドシフトの機会を創出

講師の熱意が説得力あるプログラムを確実に伝えきっている

コミュニケーションにおける傾聴の大切さ、相手の気持ちを意識しない発信の無力さ、そして行動を起こすことの価値の高さを十分理解したうえで行う演習は秀逸です。受講者全員の前で大きな声を出すプログラムがあるのですが、前段のマインドシフトがなければ本気で取り組めません。しかし、受講者全員が「伝える力をモノにしたい」とモチベーションを高めているので、毎年とても盛り上がります。
ABSさんの研修は「何故」「何」の説得力が優れていますが、型や手法の指導も実に細やかで厳格です。例えば、即席スピーチの演習です。受講者が一見、コンパクトにまとまったスピーチを披露しても「ひとつの文が長くて理解しにくい」、「手の位置が悪い」など、オブザーブしている私も気づかなかった改善点を明確に指摘されます。その指導にも納得感が必ずあるので受講者は自分が演者でない時間も、他の受講者の実演を真剣に見聞きし、講師の指摘を自分にも取り入れようと高い集中力・向上意欲を維持しています。研修の隅々までが貴重な時間になっているのは、プログラムの品質もさることながら、講師の方の熱意の大きさ、隙のない身のこなし、言葉遣いなど、講師そのものが見本や目標になる存在であるからだと考えています。

講師の熱意が説得力あるプログラムを確実に伝えきっている

2017年11月『ビジネスコミュニケーションセミナー』の様子。2012年に当時のご担当者様が東京の公開講座を受講され、翌2013年から導入していただいています。

院生のために、社会のために惜しみなく支援を続ける、向上していく

修士(MC)の学生たちは最低6年間、博士(DC)の学生になると最低9年間、学問・研究に向き合い最先端の科学的知識や技術の習得に努めています。ただ、その力を発揮できる場に立てなければ院生のみならず社会にとっても損失になると考えています。大学・大学院の本分は学問や研究機会を提供・創出する場ですが習得した知力や技術といった種を社会で咲かせてこそ、真の目的達成になります。
S-cubicのさまざまな活動の中には、前段にも述べた企業と博士研究者の交流の場「赤い糸会」があります。博士研究者が企業の第一線で活躍される方々に自分を直接アピールする場です。博士研究者たちは自分の経験値のなかで精いっぱい自己表現を行いますが、プレゼンテーションを上手くできなかったと悔しい思いを口にする者が多いです。私どもの目からは、そこまで悪くなかったと思える出来栄えでも、どうすればもっとクオリティーを上げられるかと真剣に悩んでいます。そんな博士研究者たちの後押しをすべく、ABSさんの研修を始め、私どもも常にブラッシュアップに取り組んでいます。
博士研究者たちには、S-cubicをもっと利用して、さまざまな相談やリクエストをして欲しいと考えています。そして、共に「自分の殻を破り続けて」日本のみならず世界をより良くできる環境をこの北海道大学で磨き続けて行きたいと思っています。

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