お客様インタビュー [英語]日本的コミュニケーション&ビジネスマナー講座
お客様インタビュー [英語]日本的コミュニケーション&ビジネスマナー講座
カテゴリー | 接遇&マナー(現ANAおもてなし&ビジネスマナー) |
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研修名 | [英語]日本的コミュニケーション&ビジネスマナー講座 |
タイプ |
講師派遣 (顧客先施設での実施) |
実施年 | 2017年9月 |
実施時間 | 4時間(休憩時間を含む) |
受講者数 | 13名様 |
備考 | 2015年よりご導入。2017年は中国、アメリカ、イギリス、ロシアなど11か国からの留学生13名様が受講されました。 |
学校名 | 国立大学法人 北海道大学 |
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導入部門 | 人材育成本部 国際人材育成プログラム(I-HoP) |
備考 |
I-HoPは、大学院博士前期課程(MC)・後期課程(DC)及び博士研究員(PD)に所属する若手外国人研究者に対するキャリア形成支援を英語で提供されています。 |
※本記事に記載している名称や内容などは2018年3月時点のものです。
イギリスSKYTRAX社のエアライン・スター・ランキングで世界最高評価の5スターを連続受賞しているANA。機内サービスの接遇力も受賞要因とされ、ANAビジネスソリューション (以下、ABS)では、そのノウハウを「接遇&マナー研修」として日本全国の企業や自治体・教育機関などに提供しています。
今回は2015年から留学生・若手外国人研究者の方向けにABSの研修を導入していただいている国立大学法人 北海道大学人材育成本部 国際人材育成プログラム(I-HoP)の飯田特任教授に札幌キャンパスでお話を伺いました。研修は全編英語で実施しています。
私ども国際人材育成プログラム(I-HoP)は、北海道大学 大学院博士前期課程(MC)・後期課程(DC)及び博士研究員(PD)に所属する若手外国人研究者に対するキャリア形成支援を英語で提供しています。『英語によるキャリア・カウンセリングとキャリア形成支援』や『研究者と企業を結ぶマッチング・プラットフォームの構築』などを行っていますが、私が現職に着任した2014年にまず取り組んだのは「世界の大学院の人材育成プログラム」の情報収集・研究でした。実効力ある活動を進めるには、私どもの現在地を知ることが大切と考えたためです。インターネットや企業人時代のコネクションを基にした調査ですが、本学人材育成本部が日本語で実施しているキャリア形成支援は手前味噌ながらハーバードやコロンビアなど世界のトップと言われる大学院にも勝るとも劣らないという結論に至りました。
ただ、日本という環境ならではですが、英語で提供できていないプログラムは存在しています。その一つが留学生のニーズの高い日本企業への就職支援です。学術的に日本文化を学ぶセミナーはありますが、ビジネスや就職に重きを置いたコンテンツはなかったので、導入に向けて踏み出すことにしました。
特任教授 飯田 良親様。日本電気株式会社で海外事業グループにて北米市場を担当されるなど、米国、ドイツを中心に延べ18年間海外駐在。2014年より現職に就任し、英語によるキャリア形成支援プログラムの企画・運営を牽引されています。
日本企業へのキャリア支援を考えると、外国人には縁遠い“日本流の慣習”の理解が重要になります。日本でもダイバーシティ&インクルージョンという言葉や概念は浸透し始めていますが、世界から見るとまだまだ遅れています。その日本で外国人研究者が溶け込むには、他国での場合よりも強く“異文化としての日本を知る”ことに注力しないと、円滑なコミュニケーションはできません。そこで、同じ人材育成本部のS-cubicで日本語でのビジネスマナーやコミュニケーション研修を依頼しているABSさんに、独特な日本の文化や価値観・慣習などを理解するための研修をご相談しました。全編英語での研修が可能なうえ、講師の方がANAの客室乗務員として国際線での乗務経験や外国人乗務員の育成経験があるという点にも惹かれたのです。相談後に、ABSさんから提案されたカリキュラムにも期待できたので2015年から実施をお願いしています。
導入当初から留学生の反応は良かったです。以前から“日本人の考え方をもっと知りたい”、“日本ならではのビジネス慣習を学びたい”と考えていたようで、現在も好奇心・向上心を持って受講してくれています。
これまで4回研修を実施していますが、ABSの講師や営業担当の方とブラッシュアップを重ねてまいりました。限られた時間のなかで効果を最大化するために、私自身も毎回オブザーブし、受講者へのアンケートやヒアリングにも精力的に取り組み、細かなメンテナンスに努めてきました。例えば最初の研修では、社会や企業で協業するために必要なチームビルディングを体感する演習を行い一定の効果を得ましたが、研修時間の25%を占めてしまうため、より日本での社会生活に直結するテーブルマナーの学習に変更しています。まるで異なるプログラムへの変更でしたが、ABSさんは快諾くださり、コンテンツの幅の広さを感じました。
ABSさんを信頼できるもう一つの大きな理由は、留学生が深い納得感を得られていることです。研究者なので、理論に共感できると学習意欲が大きく高まるのですが、“これほど理屈・意味を丁寧に説明するマナー研修はないのではないか”と思っています。何故、受け取った名刺は胸の位置まで上げるのか、着席時に名刺入れの上に置くのか、すべて意味を丁寧に説明されます。そして、講師の方が講義の端々で、日本人が大切にしている心の部分まで解説してくださるので、日本流のマナーの必要性を納得でき、自分のモノにしようと考えられるのだと思います。
留学生は世界中の数ある大学院から、北海道大学を選んで来ています。もちろん、学問・研究環境が選定要因ですが、キャリア支援においても本学を選んで良かったと思えるサポートを尽くすことが私どもの責務だと考えています。本研修はその施策の一つですが、ABSさんは私どもの信念を理解くださり、研修の部分最適ではなく、本学の取り組みすべてを尊重した全体最適を目指してくれています。
例えば、日本企業で働くうえでとても重要なのが日本の“ハイコンテクスト文化(※)”の理解とその対応方法の習得です。留学生には馴染みのない象徴的な日本流文化ですが、コミュニケーション方法まで身につけるには、ロールプレイなど演習を繰り返さなくては定着できません。研究や実験の合間に参加する留学生の状況から、研修は4時間が限界なので、ABSさんには日本独特の本音と建て前や暗黙の了解など“実態紹介”に専心いただいています。特に他ではなかなか系統だった学習の出来ない、テーブルマナーやお辞儀の仕方など幅広くマナーを習得できる内容をお願いしています。ハイコンテクスト文化についても、外国人が理解しやすい具体的な事例で説明してくれるので、参加者から「日本に来て3年経つが、初めて説明されて良く分かった」という声が挙がっています。
(※)文化人類学者のE・H・ホールの理論における文化区分の一つ。コミュニケーションでの文脈(コンテクスト)に感覚や価値観など抽象的な要素が多く、「以心伝心」「あうんの呼吸」で意思伝達が行われる傾向が強い文化で、日本文化が当てはまると言われています。
留学生向け研修は、日本語の研修ほど日本企業が大切にしている接遇やおもてなしの心、顧客心理といったマインド面を学ぶ時間を明確に取っていません。これは、留学生が日本人や日本企業との良好なコミュニケーションに役立つより実践的なマナー学習を求めているからです。それにもかかわらず、ABSさんがテクニックの核となる日本人の心も伝えきっていることが受講後のアンケートから読み取れます。多くの受講者が特に印象深かった研修中のフレーズとして“The smaller the service, the more politely it should be provided; the more basic the service, the more seriously it ought to be taken.”を挙げています。ANA・ABSさんが大切にしている言葉で「小さいことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に」の英訳です。私どもが目的とした日本人的な感性への理解がなされた現れであり、ABSさんの伝達力の強さを実感しています。
留学生は日本で生活をしていますが、学生ですので日本流ビジネスを体験する機会を殆ど持っていません。多くの受講者が「誰にも聞けなかったことを学べた」と言っており、良い機会をつくれたと思っています。I-HoPでは、ABSさんのような多様な企業・専門家の皆様の英知をお借りし、留学生たちが研鑽した知識・研究技術を世の中に役立てられるよう「北海道大学大学院からのキャリア形成」を推進してまいります。
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